AWSとは?実現できることや導入時の課題をわかりやすく解説 | docomo MEC® | 低遅延・高セキュアなドコモの法人向けクラウドコンピューティング AWSとは?実現できることや導入時の課題をわかりやすく解説

AWSとは?実現できることや導入時の課題をわかりやすく解説

公開日:2025-10-20

AWSとは?実現できることや導入時の課題をわかりやすく解説
DXが進み、多くの企業にとってクラウドサービスは切り離せないものとなりました。
中でもAWSは世界で最も使われているクラウドサービスであり、その名を聞いたことがある方も多いでしょう。

本記事ではAWSで実現できることや、導入のメリットや課題をわかりやすく紹介します。

1.AWSとは?

AWSは(Amazon Web Services)の略称で、サーバーやストレージ、データベースなど、ITシステムに必要なリソースを提供するクラウドサービスです。
IaaS(※)における世界シェアにおいて、AWSは約40%を占めており、世界で一番利用されているクラウドサービスとされています。

AWSでは300種類以上のサービスが提供されており、自分の用途にあったサービスを選択して使うことができます。

IaaS(Infrastructure as a Service):サーバーやネットワークなどのインフラをインターネット経由で提供するサービス

2.AWSで何ができるか?

ITシステムを運用するにあたって必要なクラウドサービスが一式揃っているのがAWSです。
サーバー構築(EC2)やデータベースの利用(RDS)、ストレージの利用(S3)など、様々なサービスを利用できます。
各サービスによって実現できることが異なるため、ここではサービスごとに実現できることをみていきましょう。

主なAWSのサービス

Amazon EC2 (Elastic Compute Cloud) / サーバー構築
仮想サーバーの起動・運用が可能なクラウド基盤サービスです。
柔軟にサーバーの規模を調整でき、複数のOSに対応しているのが特徴の1つです。実際に多くのシステムでサーバーとして活用されています。
従来のオンプレミス環境では物理的なサーバー調達に時間がかかっていましたが、EC2であれば数分でサーバー環境を構築することが可能です。

Amazon S3 (Simple Storage Service) / データ保存
巨大な容量でも低コストで利用可能なオブジェクトストレージサービスです。データのバックアップやログ保存、画像・ファイルの管理など多様な用途に使われています。
容量の上限を気にせず、必要に応じてストレージを拡張できるため、データ量の予測が困難な場合でも安心して利用できます。

Amazon RDS (Relational Database Service) / データベース
MySQLやPostgreSQL、SQL Serverなどの商用・OSSデータベースを運用できるサービスで、性能の拡張性や可用性の高さが特徴です。
データベースの運用管理に必要な作業の多くが自動化されているため、運用負荷を大幅に軽減することができます。

Amazon CloudFront / CDN(コンテンツ配信)
静的・動的なWebコンテンツを配信するCDNサービスで、多くのWebサービスで応答速度の改善をする目的で使われています。
世界各地にあるエッジロケーション(※)を活用することで、ユーザーに最も近い場所からコンテンツを配信し、WEBページの表示速度を早めています。

※ユーザーから近い場所でコンテンツを低遅延で配信するために設置された、Amazon CloudFrontのデータ配信拠点

AWS Lambda / プログラム実行システム
サーバー管理不要でコード実行ができるサーバーレスコンピュートサービスです。効率的かつ柔軟にプログラムの処理自動化やバックエンドのロジック構築をすることができます。
使用した分だけ課金されるため、処理頻度が少ないシステムでは特にコスト効率が良くなります。

その他にもElasticsearchやAWS Elastic Beanstalkなど、様々なサービスがあります。気になった方は以下の製品検索から気になるサービスを探してみてください。

AWS製品とサービス

3.AWSを利用するメリット

初期費用不要

AWSのサービスの多くが従量課金制のため、使用したい期間に必要なだけ利用することができます。リソース管理をしっかり行えば費用を抑えることも可能です。
特に従量課金制はスタートアップ企業や新規プロジェクトでサーバーを利用する際にメリットが大きいといえます。事業の成長に合わせてリソースを段階的に増やせるため、初期投資のリスクを最小限に抑えながらシステム構築を進めることができます。

スピーディーな導入

新しいアプリケーションやサービスを立ち上げる際、オンプレミスを利用すると物理サーバーの調達やセットアップには数日から数週間かかることがあります。
しかしAWSの場合は、数分でサーバーを立ち上げることも可能なため、スピーディーにシステム開発に入ることができます。

セキュリティレベルと可用性の高さ

AWSのデータセンターは、非常に厳格なセキュリティ基準を満たしており、国際的な認証(ISO 27001、SOC 2など)も取得しています。
また各国に安全性の高いデータセンターを所持しており、災害が発生した際もデータやシステムを守ることもできます。

4.AWS導入時の課題

運用・保守に一定のスキルが必要

AWSを運用・保守するためには一定の知識・技術力を持った人材が不可欠です。社内に一定の知識・技術力を持った人材がいない場合は、従業員のスキル習得や外部ベンダーへの運用・保守を委託する必要が生じます。

特にクラウド特有の設定や監視、トラブルシューティングには専門知識が求められるため、従来のオンプレミス環境の運用経験だけでは十分でない場合があります。
このように、自社でAWSを運用する際には保守・運用者の継続的な学習とスキルアップが重要になります。

コストの最適化が必須

従量課金制のため、リソースの管理やコストの最適化を怠ると想定外の費用が発生する可能性があります。さらに、AWSからインターネットへのデータ転送には月100GBまで無料枠があり、それを超えると転送量に応じた料金が発生します。

そのため、データ転送量が多いシステムの場合はデータ転送の最適化を考慮する必要があります。
使用していないリソースの削除や、適切なインスタンスタイプの選択など、定期的なコスト見直しが不可欠です。

セキュリティ対策が必須

AWS自体のセキュリティは高いですが、AWSは責任共有モデル(※)を掲げており、自社でセキュリティ対策を行うことが必須とされています。

アクセス権限の管理をはじめ、データの暗号化やネットワークのセキュリティ対策など、インターネット経由でのサイバー攻撃対策を自身で行う必要があります。

(※)AWSがインフラ部分、顧客がデータとアプリケーション部分の安全性に責任を持つ仕組み
責任共有モデルにおけるセキュリティ対策範囲の図解

責任共有モデルにおけるセキュリティ対策範囲の図解
出典:AWS「共有責任モデル」(2025年9月22日閲覧)をもとに当社で作成

ネットワークの遅延リスク

AWSのサービスが提供されているリージョンから遠い場所でシステムを利用していると、サーバーとの物理的な距離に起因するネットワークの遅延が発生する可能性があります。
またインターネットを経由した際に通信が混雑すると遅延が発生してしまうこともあります。

IoTシステムや金融システム、オンラインゲームなど、通信にリアルタイム性が求められるユースケースの場合は、この遅延リスクが大きな問題になることがあります。
遅延の影響が大きくなる要件がある場合は、代替案や解決策を検討する必要があります。

5.リアルタイム性が高い通信基盤 docomo MEC

通信にリアルタイム性が求められる場合や、閉域通信が必須であるなどセキュリティ要件が厳しいシステムの場合、AWSの標準的なサービスでは要件を満たしきれない可能性があります。
このような場合はdocomo MECがおすすめです。

docomo MECとは

docomo MECはNTTドコモが提供するMEC基盤です。ドコモネットワーク内で通信を折り返しているため、他のクラウドサービスに比べて通信ルートが短く、リアルタイムな通信を実現できます。
レスポンスの遅さを心配せずに安定した通信を行う環境を整備できます。
一般的なパブリッククラウドとdocomo MECの通信距離比較

一般的なパブリッククラウドとdocomo MECの通信距離比較

閉域環境による高セキュアの環境も実現

docomo MECの特徴として、インターネットに出ない通信環境を構築できる点があります。インターネット経由のサイバー攻撃のリスクを大幅に軽減可能です。

金融システムやインフラに関連するシステムなど、高いセキュリティ要件が求められる際に要件を満たし、安全なネットワーク環境を構築できます。機密性の高いデータを扱う企業では、閉域通信は重要な検討要素の1つです。

データ転送料が無料

多くのIaaSではデータ転送量が有料ですが、docomo MECではデータの転送料が無料です。データ転送が多くなる環境でも、コストが増えることを気にせずに利用することができます。

これにより、大容量データのやり取りが頻繁に発生するシステムでも、予想外のコスト増加を心配することなく安心して運用できます。

6.まとめ

AWSは、必要な時に必要なだけのリソースを利用でき、高いセキュリティと可用性を備えたクラウドサービスです。豊富なサービス群と世界規模のインフラにより、多くの企業を支えています。

一方で、コスト管理やセキュリティ対策など、利用者側で対応しなければならないことも多くあります。特にリアルタイム性や高いセキュリティが必要な場合はdocomo MECのようなIaaSも選択肢の1つです。

AWSを導入する際には自社のシステム要件を検討し、適切なサービスを選択することが重要となるでしょう。

リアルタイム通信×高セキュリティ

docomo MEC

docomo MECは、ドコモネットワーク内に配置したMECサーバーと、サーバーへのダイレクトなアクセスを可能にする回線サービス(MECダイレクト)を提供するサービスです。
インターネットに出ない通信により高セキュリティかつスムーズな環境を実現します。

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