IaaSとは?SaaS・PaaSとの違いや代表的なサービス例も紹介
公開日:2025-09-01

クラウドの普及とともに、IaaSを導入する企業が年々増えています。DXの推進やテレワークの定着により、従来のオンプレミス環境からIaaSへの移行も進んでいます。
本記事では、IaaSの基本概念やSaaS・PaaSとの違いを整理した上で、導入メリットや代表的なサービス例をご紹介します。
本記事では、IaaSの基本概念やSaaS・PaaSとの違いを整理した上で、導入メリットや代表的なサービス例をご紹介します。
1.IaaSとは
IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略で、サーバやネットワーク、ストレージなどのITインフラ基盤をクラウド経由で提供するサービスです。
従来は自社で物理サーバやネットワーク機器を購入・設置し、これらのインフラを運用する必要がありましたが、IaaSではインフラ基盤をインターネット経由で必要な時に利用することができます。
ユーザーは仮想化されたサーバ、ストレージ、ネットワーク機能にアクセスし、その上で自由にOSやアプリケーションを構築・運用することができるのも特徴です。
従来は自社で物理サーバやネットワーク機器を購入・設置し、これらのインフラを運用する必要がありましたが、IaaSではインフラ基盤をインターネット経由で必要な時に利用することができます。
ユーザーは仮想化されたサーバ、ストレージ、ネットワーク機能にアクセスし、その上で自由にOSやアプリケーションを構築・運用することができるのも特徴です。
IaaSの最大の特徴
IaaSの最大の特徴は、自社で物理的なハードウェアを用意することなく、必要なときに必要な分だけITインフラを利用できることです。
使わない期間は費用がかからず、急な需要増加時にも即座にリソースを追加できるため、無駄なコストを抑えながら機会損失も防ぐことができるようになります。
使わない期間は費用がかからず、急な需要増加時にも即座にリソースを追加できるため、無駄なコストを抑えながら機会損失も防ぐことができるようになります。
オンプレミスとの比較
オンプレミス環境と比較した場合、初期投資を大幅に削減できることや拡張性の高さがIaaSの大きな特徴となっています。
IaaSを使うことで物理的なハードウェアの購入が不要になるため、数千万円規模の初期投資を削減し、数万円からの月額利用料金のみの負担に軽減することが可能となります。
また、ビジネスの成長や需要変動に応じて、リソースを柔軟にスケールアップ・ダウンできる点も重要な利点といえるでしょう。
IaaSを使うことで物理的なハードウェアの購入が不要になるため、数千万円規模の初期投資を削減し、数万円からの月額利用料金のみの負担に軽減することが可能となります。
また、ビジネスの成長や需要変動に応じて、リソースを柔軟にスケールアップ・ダウンできる点も重要な利点といえるでしょう。
2.SaaS / PaaS との違い
IaaSとよく比較されるのはSaaSとPaaSです。
これらのクラウドサービスとIaaSはどのような違いがあるのでしょうか?
サービスの提供範囲や利用者の管理責任範囲の観点からIaaS・SaaS・PaaSを比較して解説します。
これらのクラウドサービスとIaaSはどのような違いがあるのでしょうか?
サービスの提供範囲や利用者の管理責任範囲の観点からIaaS・SaaS・PaaSを比較して解説します。
SaaS
SaaSは「Software as a Service」の略で、完成されたソフトウェアやアプリケーションをインターネット経由でそのまま利用できるクラウドサービスです。
利用者はWebブラウザやアプリケーションからアクセスするだけで、システム構築や運用管理を必要とせず、すぐにソフトウェアを利用できるのが特徴です。
例えば、Microsoft 365やGoogle Workspace、SalesforceなどがSaaSの代表例です。
これらのSaaSにはメール機能、文書作成、顧客管理などの機能がすぐに使える状態で提供されるため、ツールの開発・運用が不要になり利用者は業務に集中することができます。
ただし、SaaSはカスタマイズ性が限定的で、提供されている機能のみ利用することができます。
利用者はWebブラウザやアプリケーションからアクセスするだけで、システム構築や運用管理を必要とせず、すぐにソフトウェアを利用できるのが特徴です。
例えば、Microsoft 365やGoogle Workspace、SalesforceなどがSaaSの代表例です。
これらのSaaSにはメール機能、文書作成、顧客管理などの機能がすぐに使える状態で提供されるため、ツールの開発・運用が不要になり利用者は業務に集中することができます。
ただし、SaaSはカスタマイズ性が限定的で、提供されている機能のみ利用することができます。
PaaS
PaaSは「Platform as a Service」の略で、アプリケーション開発や実行に必要なプラットフォームもセットで提供するクラウドサービスです。
インフラの上にOS、開発環境、データベース、ミドルウェアが予め用意されており、利用者はアプリケーションやデータの開発・運用に集中できます。
PaaSの代表サービスを挙げると、Google App Engine、Microsoft Azure App Serviceなどが代表例となります。
IaaSより自由度は下がりますが、PaaSを取り入れることで、インフラやプラットフォームの管理負担が大幅に軽減された状態でソフトウェアやアプリケーションの開発ができるようになります。
アプリケーションやシステムの開発者にとっては、サーバ管理などのインフラ領域を意識する必要がない環境が整うため、開発に専念できるようになり、開発効率も向上します。
インフラの上にOS、開発環境、データベース、ミドルウェアが予め用意されており、利用者はアプリケーションやデータの開発・運用に集中できます。
PaaSの代表サービスを挙げると、Google App Engine、Microsoft Azure App Serviceなどが代表例となります。
IaaSより自由度は下がりますが、PaaSを取り入れることで、インフラやプラットフォームの管理負担が大幅に軽減された状態でソフトウェアやアプリケーションの開発ができるようになります。
アプリケーションやシステムの開発者にとっては、サーバ管理などのインフラ領域を意識する必要がない環境が整うため、開発に専念できるようになり、開発効率も向上します。
IaaS
IaaSはSaaSやPaaSと違い、それらより下層のインフラ(サーバ、ネットワーク、ストレージなど)を提供しています。利用者はその基盤上で、OSやアプリケーションを自由に構築することができます。
他のクラウド形態(PaaSやSaaS)と比べてカスタマイズ性が最も高く、システム要件に合わせて柔軟なインフラ設計が可能です。
一方で、OS以上の管理・運用責任は利用者が負うため、利用者に一定の専門知識が必要です。
他のクラウド形態(PaaSやSaaS)と比べてカスタマイズ性が最も高く、システム要件に合わせて柔軟なインフラ設計が可能です。
一方で、OS以上の管理・運用責任は利用者が負うため、利用者に一定の専門知識が必要です。

IaaS・PaaS・SaaSの主な違い
3.IaaSを導入する4つのメリット
オンプレミスの代わりに、IaaSをITインフラとして採用するメリットは多岐にわたります。ここでは、特に重要な4つのメリットをご紹介します。

1.コストの最適化・削減ができる
ITインフラにIaaSを採用することで、最も実感しやすいのがコストの最適化です。
従来のオンプレミス環境では、自前でハードウェアを購入・維持する必要があり、数千万円規模の初期投資が必要でした。
しかし、IaaSでは使用した分だけ料金を支払う従量課金制のため、初期投資や運用コストを大幅に抑えることができます。
さらに、オンプレミス環境でよく発生する「将来の拡張を見込んだ過剰スペックでの機器導入」による無駄なコストも削減できます。
必要な時に必要な分だけリソースを利用できるため、使用しないリソースへの投資を避けることが可能です。
従来のオンプレミス環境では、自前でハードウェアを購入・維持する必要があり、数千万円規模の初期投資が必要でした。
しかし、IaaSでは使用した分だけ料金を支払う従量課金制のため、初期投資や運用コストを大幅に抑えることができます。
さらに、オンプレミス環境でよく発生する「将来の拡張を見込んだ過剰スペックでの機器導入」による無駄なコストも削減できます。
必要な時に必要な分だけリソースを利用できるため、使用しないリソースへの投資を避けることが可能です。
2.ビジネス変化に応じた柔軟な拡張性がある
現代のビジネス環境では、需要の急激な変動や事業拡大のスピードに対応できる柔軟性が重要です。
IaaSでは、繁忙期やサービス拡大時にも、必要な分だけサーバのリソースを増減できるスケーラビリティを確保できます。
例えば、ECサイトのセール期間中にアクセス数が急増した場合でも、簡単にサーバの性能や容量を向上させることができます。
また、事業の成長や縮小に合わせたリソース調整も数分から数時間で実行できるため、機会損失を最小限に抑えることが可能です。
IaaSでは、繁忙期やサービス拡大時にも、必要な分だけサーバのリソースを増減できるスケーラビリティを確保できます。
例えば、ECサイトのセール期間中にアクセス数が急増した場合でも、簡単にサーバの性能や容量を向上させることができます。
また、事業の成長や縮小に合わせたリソース調整も数分から数時間で実行できるため、機会損失を最小限に抑えることが可能です。
3.インフラ環境構築での自由度が高い
IaaSでは、サーバやネットワーク、ストレージなどのITインフラを必要に応じて自由にカスタマイズでき、オンプレミスと同様の環境を迅速に構築できます。
OSの選択から、ネットワーク設定、セキュリティポリシーまで、企業の要件に合わせた詳細な設定が可能です。
また、オンプレミス環境とのハイブリッド構成を実現することで、既存システムとの連携を保ちながら、独自性のあるシステム構築や特殊な連携要件にも対応できます。
企業固有の業務プロセスや規制要件を満たしながら、クラウドの利点を享受することも可能になります。
OSの選択から、ネットワーク設定、セキュリティポリシーまで、企業の要件に合わせた詳細な設定が可能です。
また、オンプレミス環境とのハイブリッド構成を実現することで、既存システムとの連携を保ちながら、独自性のあるシステム構築や特殊な連携要件にも対応できます。
企業固有の業務プロセスや規制要件を満たしながら、クラウドの利点を享受することも可能になります。
4.高い可用性・信頼性
IaaSプロバイダーは、地理的に分散した複数のデータセンターを運営しており、災害やシステム障害に対する高い耐性があります。
自社でBCP(事業継続計画)対策を実施する場合と比較して、高い可用性と信頼性を低コストで実現できるのも大きなメリットの1つです。
実際に、システムやデータは冗長化された環境で安全に保護され、災害や障害が発生した場合でも、サービス継続が可能になります。
また、データのバックアップが自動化され、データの保管場所も地理的に分散されているため、従来のオンプレミス環境では実現困難だったレベルのBCP対策を実装することができます。
自社でBCP(事業継続計画)対策を実施する場合と比較して、高い可用性と信頼性を低コストで実現できるのも大きなメリットの1つです。
実際に、システムやデータは冗長化された環境で安全に保護され、災害や障害が発生した場合でも、サービス継続が可能になります。
また、データのバックアップが自動化され、データの保管場所も地理的に分散されているため、従来のオンプレミス環境では実現困難だったレベルのBCP対策を実装することができます。
4.代表的なIaaSの例
では、これらのメリットを実現できるIaaSサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。現在多くの企業に選ばれている代表的なプロバイダーをご紹介します
AWS
Amazon Web Services(AWS)は、世界最大の規模を持つIaaSプロバイダーです。グローバルに展開されたインフラ基盤と200以上の豊富なサービス群が特徴的で、あらゆる規模・業種の企業ニーズに対応しています。
主力サービスとして、EC2(仮想マシン)、S3(オブジェクトストレージ)、RDS(関係データベース)などがあり、用途別に最適化されたサービスが多数提供されています。これらのサービスを組み合わせることで、シンプルなWebサイトから大規模な企業システムまで、幅広いユースケースに対応可能です。
主力サービスとして、EC2(仮想マシン)、S3(オブジェクトストレージ)、RDS(関係データベース)などがあり、用途別に最適化されたサービスが多数提供されています。これらのサービスを組み合わせることで、シンプルなWebサイトから大規模な企業システムまで、幅広いユースケースに対応可能です。
Microsoft Azure
Microsoft Azureは、Microsoftが提供するIaaSプラットフォームです。Microsoft製品との親和性が高く、Windows ServerやSQL Server、Microsoft 365などを利用中の企業にとって導入しやすいIaaSです。
また、オンプレミス環境とクラウド環境を統合管理できるハイブリッド構成に強みがあり、段階的なクラウド移行を希望する企業や、要件により一部システムをオンプレミスに残す必要がある企業がAzureを採用しています。
また、オンプレミス環境とクラウド環境を統合管理できるハイブリッド構成に強みがあり、段階的なクラウド移行を希望する企業や、要件により一部システムをオンプレミスに残す必要がある企業がAzureを採用しています。
Google Cloud Platform(GCP)
Google Cloud Platform(GCP)は、Googleが提供するIaaSプラットフォームです。
Googleの検索エンジンやGmailなどの大規模サービスで培った技術を基盤としており、特にBigQueryを用いたビッグデータ処理やAI・機械学習関連技術に強みがあります。
また、Kubernetes(コンテナオーケストレーション)やコンテナ環境の支援に定評があり、モダンなアプリケーション開発を行う開発者から高い評価を得ています。DevOpsやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デプロイメント)に関する機能も充実しており、アジャイル開発を採用する企業に適しています。
Googleの検索エンジンやGmailなどの大規模サービスで培った技術を基盤としており、特にBigQueryを用いたビッグデータ処理やAI・機械学習関連技術に強みがあります。
また、Kubernetes(コンテナオーケストレーション)やコンテナ環境の支援に定評があり、モダンなアプリケーション開発を行う開発者から高い評価を得ています。DevOpsやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デプロイメント)に関する機能も充実しており、アジャイル開発を採用する企業に適しています。
docomo MEC
docomo MECは、ドコモネットワーク内に配置したMECサーバへのダイレクトなアクセスを可能にする回線サービス(MECダイレクト)を提供するIaaS基盤です。
従来のクラウドサービスとは異なり、ドコモネットワークを活用することで、インターネットを経由しないリアルタイムな通信を実現しています。
従来のクラウドサービスとは異なり、ドコモネットワークを活用することで、インターネットを経由しないリアルタイムな通信を実現しています。
インターネットを経由しない、リアルタイムな通信でDXを実現
例えば、製造業における産業用ロボットの制御、医療分野での遠隔診断・手術支援、社会インフラの監視制御など、リアルタイムな通信速度が求められる場面で数多く活用されています。
docomo MECは、インターネットを経由しない高セキュアな通信環境が実現できるため、機密性の高いデータを扱う企業のニーズにも対応しています。
このように、ミリ秒単位での応答速度が要求されるリアルタイム制御や、外部ネットワークへの接続を避けたい場合において、他のクラウドサービスでは実現困難な要件を満たすことができます。
docomo MECサービス詳細はこちら
docomo MECは、インターネットを経由しない高セキュアな通信環境が実現できるため、機密性の高いデータを扱う企業のニーズにも対応しています。
このように、ミリ秒単位での応答速度が要求されるリアルタイム制御や、外部ネットワークへの接続を避けたい場合において、他のクラウドサービスでは実現困難な要件を満たすことができます。
docomo MECサービス詳細はこちら
5.まとめ
クラウド活用が一般化する中で、IaaSは柔軟性・拡張性に優れたインフラ基盤として多くの企業に導入されています。
初期投資の削減、運用負荷の軽減、事業変化への迅速な対応など、従来のオンプレミス環境では実現困難だった多面的なメリットを提供しています。
企業のデジタル化が進む中で、IaaSは単なるコスト削減手段ではなく、事業競争力を向上させる戦略的なITインフラとして位置づけられているといって過言ではないでしょう。
IaaSサービスにはAWS、Azure、GCPなど様々なサービスがありますが、用途や求める機能によって最適な選択肢は異なります。
グローバル展開や豊富な機能を重視する場合は大手クラウドプロバイダーが適していますが、「リアルタイムな通信」や「高セキュアな通信環境」といった要件がある場合は、docomo MECのような国内サービスの検討も必要となります。
リアルタイムな通信速度や高セキュアなネットワーク環境をお探しの方は、docomo MECの活用もぜひ検討してみてください。
初期投資の削減、運用負荷の軽減、事業変化への迅速な対応など、従来のオンプレミス環境では実現困難だった多面的なメリットを提供しています。
企業のデジタル化が進む中で、IaaSは単なるコスト削減手段ではなく、事業競争力を向上させる戦略的なITインフラとして位置づけられているといって過言ではないでしょう。
IaaSサービスにはAWS、Azure、GCPなど様々なサービスがありますが、用途や求める機能によって最適な選択肢は異なります。
グローバル展開や豊富な機能を重視する場合は大手クラウドプロバイダーが適していますが、「リアルタイムな通信」や「高セキュアな通信環境」といった要件がある場合は、docomo MECのような国内サービスの検討も必要となります。
リアルタイムな通信速度や高セキュアなネットワーク環境をお探しの方は、docomo MECの活用もぜひ検討してみてください。
リアルタイム通信×高セキュリティ
docomo MEC
docomo MECは、ドコモネットワーク内に配置したMECサーバーと、サーバーへのダイレクトなアクセスを可能にする回線サービス(MECダイレクト)を提供するサービスです。
インターネットに出ない通信により高セキュリティかつスムーズな環境を実現します。