顔認証による勤怠管理には懸念点も?導入メリットや改善事例も合わせて解説 | docomo MEC® | 低遅延・高セキュアなドコモの法人向けクラウドコンピューティング 顔認証による勤怠管理には懸念点も?導入メリットや改善事例も合わせて解説

顔認証による勤怠管理には懸念点も?導入メリットや改善事例も合わせて解説

公開日:2025-12-22

顔認証による勤怠管理には懸念点も?導入メリットや改善事例も合わせて解説
タイムカードの集計や打刻漏れの修正、ICカードの紛失対応といった勤怠管理業務に負荷がかかっていませんか?

これらの業務負荷を軽減させる方法として注目されるのが顔認証を用いた勤怠管理システムです。
本記事では、顔認証がもたらす業務効率化のメリットを具体的に解説するとともに、導入障壁とその対策についても詳しくご紹介します。

1.勤怠管理での課題

まずは従来の勤怠管理の課題を具体的に整理してみましょう。
従来の勤怠管理はそこまでタイムカードやICカードを用いるのが一般的ですが、主に以下3点の課題があります。

打刻ミスなどのヒューマンエラー

タイムカードなどを使った勤怠管理では打刻ミスが一定数発生します。

出退勤時の打刻漏れは、どの企業でも課題となっています。
打刻漏れの修正は、管理部門の作業工数の増加にも繋がります。

人によるミスを0にすることは難しいです。そのため、従来の勤怠管理方法では打刻漏れの修正に伴う作業工数を一定考慮する必要があります。

不正打刻

2019年から客観的な労働時間の把握が義務化されたこともあり、打刻内容と実際の勤務状況の整合性を取ることが必須となっています。
そのため、客観的な労働時間を把握し、不正打刻が起きないような仕組みを構築することが求められています。

しかし、タイムカードやICカードといった従来型の勤怠管理方法では、打刻の精度に限界があるのが実情です。
同僚に代わりに打刻してもらう「代理打刻」や、実際の出勤時刻とは異なる時刻での打刻などの不正打刻が発生すると、労働時間の正確な把握が難しくなります。

客観的な労働時間の把握・管理を怠ると法的な罰則を受ける可能性もあるため、不正打刻対策をしっかり行うことが求められます。

管理・業務負荷の高さ

先述の通り、勤怠の整合性を確認する負荷が高くなっています。
打刻データと実際の入退室記録、PCのログイン履歴などを突き合わせて確認する作業は大きな負担となります。

加えて、カード忘れや打刻漏れなどのヒューマンエラーが発生する度に修正をしなければならない手間もあります。
「カードを忘れたので手動で打刻してほしい」「昨日の退勤時刻が記録されていない」といった問い合わせ対応で業務が圧迫されている方も多いことでしょう。

特に多数の人の勤怠管理を行う状況だと、正確な勤怠管理が困難です。
複数拠点を持つ企業や、派遣社員・アルバイトなど多様な雇用形態の従業員を抱える企業では、この課題が一層深刻化する傾向にあります。

2.顔認証による勤怠管理メリット

ヒューマンエラーや不正打刻、業務負荷といった課題を一気に解決するのが顔認証システムを用いた勤怠管理です。
顔認証システムは、従業員が特別な動作を必要とせず、カメラの前に立つだけで自動的に出退勤を記録できるため、これらの課題を一気に解決することが可能です。

顔認証システムを用いた勤怠管理を行うことで、具体的にどのような変化があるのか、今回は3つ紹介します。

打刻ミスの大幅削減が可能

打刻する必要がなくなるため、タイムカードの打刻漏れなどのヒューマンエラーがゼロに近くなります。
従業員が出退勤時にカメラの前に立つだけで、自動的に勤怠データが記録されるため、「打刻を忘れた」という事態そのものが発生しなくなります。

さらに打刻もよりスピーディーになります。
タイムカードを探す時間や、ICカードをかざす動作すら不要になるため、特に朝の出勤ラッシュ時などでも、入り口での混雑が大幅に緩和されます。

不正打刻のリスク軽減

顔認証であれば代理打刻が起きない仕組みが簡単に構築可能です。
顔という個人固有の生体情報を用いるため、ICカードの貸し借りや、同僚に代わりに打刻してもらうといった不正行為を技術的に防止できます。

さらに設置場所を出退勤するエリアにすることで、より客観的な勤怠状況の把握も用意となります。
オフィスの入口や各フロアの出入口に顔認証システムを設置すれば、打刻データと実際の勤怠状況の整合性が自動的に担保されるため、労働時間をより正確に把握することも可能となります。

管理業務の効率化

顔認証であれば、タイムカードの紛失等が発生しなくなるため、トラブルによる運用負荷を大きく軽減できます。
「打刻を忘れたので修正してほしい」「カードを紛失したので再発行してほしい」といった問い合わせ対応が減り、本来の業務に集中できるようになります。
従来式の勤怠管理と顔認証による勤怠管理の比較

従来式の勤怠管理と顔認証による勤怠管理の比較

3.ただし注意点も。顔認証システム導入時の懸念点

一方で顔認証を用いた勤怠管理システムを導入する際には2つの懸念点があります。

1:顔情報の取り扱い

総務省が公開している「令和7年版 情報通信白書」によると、ランサムウェアやDDoS攻撃といったサイバー攻撃が増加傾向にあり、企業のセキュリティリスクが拡大傾向にあります。

顔情報はパスワードと異なり、変更ができない重要な個人情報です。
そのため、顔認証を用いる際には、サイバー攻撃や情報漏洩に備え、他の認証方法以上にセキュリティ対策に力を入れる必要があります。
顔認証システムを選定する際は、データの暗号化、アクセス権限管理、ネットワークのセキュリティ対策など、多層的な防御策が講じられているかを慎重に確認することが重要です。

【顔認証のセキュリティ対策を詳しく知るには?】
詳しくはこちら

参考:総務省「令和7年版情報通信白書」(2025年11月12日閲覧)

2:固定回線設置による設置場所の制約

クラウドを経由した顔認証システムを利用する際、認証に遅延がないような通信速度を確保する必要があります。
設置場所に十分な速度の回線がない場合は顔認証システムの設置場所に電源と有線LANの配線工事が必要になることがあります。
通信速度が遅い環境の場合は設置場所が限定されるだけでなく、工事費用や工期といったコストも発生します。

他にも「レイアウト変更がしにくくなる」「建設現場など固定回線がない場所だと使えない」といった問題がある場合もあります。
オフィスのフロア変更や座席レイアウトの見直しが頻繁に発生する企業、あるいは工事現場や倉庫といった固定インフラが整備されていない場所では、顔認証システムの導入が困難なケースがあります。

4.docomo MECで実現!「高セキュリティ」で「場所を選ばない」顔認証

docomo MECを活用したモバイル勤怠管理システムを導入することで、業務効率化と同時にセキュリティ対策も万全にすることができます。
ここでは、docomo MECを活用したモバイル勤怠管理システムの3つの特長をご紹介します。

閉域通信による高セキュアな通信環境

多くのシステムは「インターネット」を経由してデータを送受信します。
しかし、インターネットを経由する通信は、常にDDoS攻撃やランサムウェアといったサイバー攻撃の脅威にさらされています。
特に顔情報のような重要な個人情報を扱う場合、インターネット経由のサイバー攻撃対策は最優先で考慮すべき要素です。

そこで、docomo MECを活用し、インターネットから遮断された閉域網で通信を行うことでサイバー攻撃のリスクを大幅に減らすことが可能です。
docomo MECは、ドコモのモバイルネットワーク内で完結する通信環境を提供するため、外部からの不正アクセスやデータの盗聴といったリスクを根本的に低減できます。

【参考記事】
MECとは?基礎知識から活用シーンまで合わせて解説

レイアウト変更もお手軽に!モバイル顔認証システム

固定型の顔認証端末は、電源に加えて有線ケーブルの配線工事が必要なケースが多く、工事コストや時間がかかることが多いです。
さらに回線を一度設置すると場所の移動が困難でした。
オフィスのレイアウト変更や、一時的な拠点での利用といったニーズに柔軟に対応できないこともあります。

docomo MECではドコモのモバイルネットワークを活用するため、配線工事が一切不要です。
顔認証端末は電源さえ確保できれば、どこでも設置可能となります。

建設現場や倉庫など、レイアウト変更が発生しやすい環境でも、高いセキュリティレベルを維持しながら顔認証による勤怠管理を実現できます。

リアルタイムな通信が実現する「待たされない」認証

顔認証が便利でも、毎朝の打刻時に認証が遅く、行列ができていては本末転倒です。認証の遅延は従業員のストレスを生むだけでなく、朝の業務開始時間にも影響を及ぼしかねません。

docomo MECは、データを処理するサーバー(MECサーバー)がユーザーに近い場所にあるため、リアルタイムに近い速度で顔認証を実施することが可能になります。
通常のクラウドサービスでは、データセンターまでの物理的な距離による通信遅延が発生しますが、MECサーバーは基地局に近い場所に配置されているため、この遅延を最小限に抑えられます。
インターネット経由の通信と比較した際の通信距離 docomo MECを活用すればスピーディーな認証が可能に

インターネット経由の通信と比較した際の通信距離
docomo MECを活用すればスピーディーな認証が可能に

この「認証スピード」こそが、「打刻ミスゼロ」や「管理業務の効率化」を、ストレスなく実現するための土台となります。

【docomo MECを活用した顔認証勤怠管理システム】
サービス説明資料をダウンロードする

5.【事例】年間約4,183時間の工数削減見込み

実際にdocomo MECを活用した顔認証勤怠管理システムを導入した企業の事例をご紹介します。

NIPPON EXPRESSホールディングス様では、docomo MEC上に顔認証勤怠管理システムを構築し、200人規模の作業現場で運用を開始しました。

これまでは紙による出退勤管理を行っていたため、従業員の記入や管理者による確認作業に多くの時間がかかっていました。
さらに、物流倉庫という現場の特性上、頻繁なレイアウト変更やネットワーク配線の制約、一時的な入退館者への対応といった固有の事情から、システム導入がなかなか進まない状況が続いていました。

<docomo MEC導入後>

従来の紙による出退勤管理から顔認証システムに切り替えることで、1拠点あたり年間約4,183時間の勤怠管理にかかる時間が削減される見込みが立ちました。
これは、従業員の記入時間の削減、管理者の確認作業の効率化、修正対応の減少など、複数の要素が組み合わさった結果です。

さらにモバイル型の顔認証システムを導入したことで、レイアウト変更に合わせて設置場所を柔軟に変えられるようになりました。
物流倉庫では季節や物量に応じて作業エリアの配置が変わることが多いため、この柔軟性は大きなメリットとなっています。
大幅な工数削減と柔軟なレイアウト変更も実現

大幅な工数削減と柔軟なレイアウト変更も実現

6.まとめ

顔認証による勤怠管理は、打刻ミスや不正をなくし、管理業務を大幅に効率化します。しかし、顔情報を守るためのセキュリティ対策や設置場所の制約という課題があります。

docomo MECは閉域網による通信でサイバー攻撃リスクを大幅に低減し、回線の工事不要で柔軟な設置を実現します。建設現場や倉庫といった様々な環境でも、高いセキュリティを維持しながら顔認証勤怠管理が可能です。

「自社でも導入できるか?」など、詳細が気になる方はぜひ資料をダウンロードしてみください。

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