AGVとAMRの違いなど、搬送ロボットの選び方を解説
公開日:2025-06-23

物流・製造現場を中心にDX・省人化ニーズが高まる中、搬送ロボットの導入が急速に進んでいます。
搬送ロボットには大きく「AGV(無人搬送車)」と「AMR(自律走行搬送ロボット)」の二種類がありますが、どちらを選ぶか悩むことはありませんか?
本記事では、両者の違いやそれぞれの特徴、選び方のポイントまで詳しく解説します。
搬送ロボットには大きく「AGV(無人搬送車)」と「AMR(自律走行搬送ロボット)」の二種類がありますが、どちらを選ぶか悩むことはありませんか?
本記事では、両者の違いやそれぞれの特徴、選び方のポイントまで詳しく解説します。
代表的な搬送ロボットの種類
代表的な搬送ロボットには大きく「AGV(無人搬送車)」と「AMR(自律走行搬送ロボット)」の二種類があります。
まずはこの二種類のロボットの特徴を簡単にご紹介します。
まずはこの二種類のロボットの特徴を簡単にご紹介します。
AGV(無人搬送車)
無人搬送車(AGV: Automated Guided Vehicle)は、倉庫や工場などで磁気テープなどの誘導体に沿って物品を運搬するロボットです。
誘導体には磁気テープ、QRコード、レーザー誘導などがあります。
工場や倉庫のレイアウト変更をする際には変更に必要な工事等が発生しますが、AMRより安価な場合が多く、繰り返し作業に適しています。
【詳細はこちら】AGV(無人搬送車)とは?
誘導体には磁気テープ、QRコード、レーザー誘導などがあります。
工場や倉庫のレイアウト変更をする際には変更に必要な工事等が発生しますが、AMRより安価な場合が多く、繰り返し作業に適しています。
【詳細はこちら】AGV(無人搬送車)とは?
AMR(自律走行搬送ロボット)
AMR(Autonomous Mobile Robot)は、自分でルートを決めて荷物を運搬するロボットです。
SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などを用いて、自己位置と周辺環境を認識し、自律的に物品を運搬することができます。工場や倉庫内のレイアウト変更など、施設の変更にも柔軟に対応できるのが特徴です。
自律的にルートを決めて運搬できるので、人と協業しながら搬送作業を自動化することも可能です。例えば、作業者がピッキングした商品をAMRが次の工程まで運ぶといった協働作業が実現できます。
【詳細はこちら】AMRの基礎と導入時の課題を解説
SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などを用いて、自己位置と周辺環境を認識し、自律的に物品を運搬することができます。工場や倉庫内のレイアウト変更など、施設の変更にも柔軟に対応できるのが特徴です。
自律的にルートを決めて運搬できるので、人と協業しながら搬送作業を自動化することも可能です。例えば、作業者がピッキングした商品をAMRが次の工程まで運ぶといった協働作業が実現できます。
【詳細はこちら】AMRの基礎と導入時の課題を解説
AGVとAMRの違い
ここまでAGVとAMRの基本的な特徴をご紹介しましたが、実際の導入検討においては、より両者の違いを理解することが重要です。
それではAGVとAMRの違いを具体的に見ていきましょう。
それではAGVとAMRの違いを具体的に見ていきましょう。
走行方式
AGVとAMRの最も大きな違いは走行方式になります。
AGV:QRコードなど、誘導体により決められたルートを走行する
AMR:自律的にルートを決めて走行する
AGVは正確な繰り返し作業が求められる環境で、AMRは柔軟性が求められる環境や複雑なシチュエーションで活躍します。
AGV:QRコードなど、誘導体により決められたルートを走行する
AMR:自律的にルートを決めて走行する
AGVは正確な繰り返し作業が求められる環境で、AMRは柔軟性が求められる環境や複雑なシチュエーションで活躍します。

AGVとAMRの走行方式の違い
導入コスト
AGVとAMRでは、本体価格や導入に必要な工事も異なるため、コストも大きく異なります。
また、導入にあたってのリードタイムも異なるため、導入期間中に発生する人件費や業務調整にかかる負荷も考慮すべきでしょう。
AGV
・ AMRに比べると本体価格は比較的安価
・ 工事・ルート変更時の手間が大きい
・ AMRに比べると導入までのリードタイムがかかる
AMR
・ 本体価格は高め
・ 導入にあたって必要な工事負担が少ない
・ AGVと比べると導入までのリードタイムを短縮できる
このようにAGVとAMRでは導入にかかるコストに違いがあり、自社の状況によって導入する搬送ロボットを選択する必要があります。
導入の際には予算や事業計画、施設の規模に合わせて、導入コストを詳しく試算することも重要です。
AGVとAMRの違いに関しては以下の通りになっています。
また、導入にあたってのリードタイムも異なるため、導入期間中に発生する人件費や業務調整にかかる負荷も考慮すべきでしょう。
AGV
・ AMRに比べると本体価格は比較的安価
・ 工事・ルート変更時の手間が大きい
・ AMRに比べると導入までのリードタイムがかかる
AMR
・ 本体価格は高め
・ 導入にあたって必要な工事負担が少ない
・ AGVと比べると導入までのリードタイムを短縮できる
このようにAGVとAMRでは導入にかかるコストに違いがあり、自社の状況によって導入する搬送ロボットを選択する必要があります。
導入の際には予算や事業計画、施設の規模に合わせて、導入コストを詳しく試算することも重要です。
AGVとAMRの違いに関しては以下の通りになっています。

AGVとAMRの主な違い
このようにAGVとAMRには違いがあり、現場によって導入すべき場面が異なります。
AGVとAMRの機能・ユースケースに関しては以下の記事にてご紹介しておりますので、よろしければご参考ください。
AGV(無人搬送車)とは?
AMRの基礎と導入時の課題を解説
AGVとAMRの機能・ユースケースに関しては以下の記事にてご紹介しておりますので、よろしければご参考ください。
AGV(無人搬送車)とは?
AMRの基礎と導入時の課題を解説
どちらの搬送ロボットを選ぶべきか?
ここまでAGVとAMRの違いを説明してきましたが、具体的にどちらを選べばいいのでしょうか?
導入する搬送ロボットを決める際に必要な簡単な判断基準を4つご紹介します。
導入する搬送ロボットを決める際に必要な簡単な判断基準を4つご紹介します。
1.搬送ルートや作業エリアに"変化"はあるか?
環境に変化があるならAMRがおすすめ
工場や倉庫内のレイアウト変更やフレキシブルな搬送が必要な現場にはAMRが強い適応力を発揮します。
環境に変化が少ないならAGVがおすすめ
繰り返し作業中心でルート固定ならAGVの方がコストを抑えられます。
工場や倉庫内のレイアウト変更やフレキシブルな搬送が必要な現場にはAMRが強い適応力を発揮します。
環境に変化が少ないならAGVがおすすめ
繰り返し作業中心でルート固定ならAGVの方がコストを抑えられます。
2.複数ロボットや他システムとの連携は必要か?
他のIoTや管理システムなど、他システムとのデータ連携を前提とするならAMRがおすすめです。
AGVは単体運用向きで、シンプルな制御には向いていますが、拡張性は限定的な場合が多くなっています。
AGVは単体運用向きで、シンプルな制御には向いていますが、拡張性は限定的な場合が多くなっています。
3.本体の導入コストの軽減を優先するか、運用の柔軟性を取るか?
運用の柔軟性を重視する場合には、誘導体設置工事不要でルート変更も即時反映できるAMRがおすすめです。
一方で、AGVはAMRより本体価格が安く収まることが多いです。AGVの移動ルートが限られている場合など、誘導体設置工事の負荷が低い場合はAGVの方が導入にかかるコストを抑えることができます。
その代わりにルート変更や拡張時にコストがかさむリスクがあります。
一方で、AGVはAMRより本体価格が安く収まることが多いです。AGVの移動ルートが限られている場合など、誘導体設置工事の負荷が低い場合はAGVの方が導入にかかるコストを抑えることができます。
その代わりにルート変更や拡張時にコストがかさむリスクがあります。
4.安定した稼働を重要視する場合はどちらか?
障害物を認識して自ら回避できるAMRは、障害物による稼働停止のリスクが低いという利点があります。
ただし、遅延が少ない通信環境の整備が必須条件となります。
AGVは障害物やルート変更に弱いため、決められたルート上に障害物がない安定した環境での運用が前提となります。
ただし、遅延が少ない通信環境の整備が必須条件となります。
AGVは障害物やルート変更に弱いため、決められたルート上に障害物がない安定した環境での運用が前提となります。
複数台のロボットを稼働させる場合は通信環境の整備も必要
AMRはリアルタイムなルート判断や自律制御をする必要があるため、常時安定した通信が不可欠です。
複数台運用時の場合、一般的なWi-Fiでは帯域不足・ローミング遅延が発生しやすく、通信が不安定だと、通信エラー・急停止などで業務が止まるリスクがあるため注意が必要です。
リアルタイム性の求められるAMR運用に適した通信環境として、NTTドコモが提供するdocomo MECの活用がおすすめです。
複数台運用時の場合、一般的なWi-Fiでは帯域不足・ローミング遅延が発生しやすく、通信が不安定だと、通信エラー・急停止などで業務が止まるリスクがあるため注意が必要です。
リアルタイム性の求められるAMR運用に適した通信環境として、NTTドコモが提供するdocomo MECの活用がおすすめです。
docomo MECが提供するリアルタイムで高セキュアな通信環境
docomo MECはMECを活用した企業向けのIaaS基盤で、インターネットを経由しない通信により高セキュリティかつリアルタイム性の高い通信環境を構築可能です。
ドコモネットワーク網内で通信を完結させ、インターネットに経由しない通信により、インターネットが混雑する時間帯においても複数台の運用時に必要なリアルタイム性の高い通信と、高セキュリティな閉域通信環境を提供します。
ドコモネットワーク網内で通信を完結させ、インターネットに経由しない通信により、インターネットが混雑する時間帯においても複数台の運用時に必要なリアルタイム性の高い通信と、高セキュリティな閉域通信環境を提供します。
高セキュアな通信環境でハッキングリスクを最小限に
AIの発達などのIT技術の発展により、サイバー攻撃のリスクも上がっているため、企業におけるセキュリティ対策のニーズが高まっています。
通信ネットワークのセキュリティを強化することで、サイバー攻撃から機密性の高いデータを守り、情報漏洩やIoTの稼働停止のリスクを大幅に軽減することが可能です。
docomo MECではリアルタイム性の高い安定した通信環境の他に、閉域通信による高セキュアな通信環境も提供可能です。
SIMを挿すだけで搬送ロボットの通信を簡単に閉域化することができるため、有線工事不要で気軽に最適な通信環境を導入できます。
【簡単にモバイル通信を閉域化】MECダイレクト
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docomo MECではリアルタイム性の高い安定した通信環境の他に、閉域通信による高セキュアな通信環境も提供可能です。
SIMを挿すだけで搬送ロボットの通信を簡単に閉域化することができるため、有線工事不要で気軽に最適な通信環境を導入できます。
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まとめ
AGVとAMRは一見似ていますが、走行方式、コスト構造に決定的な違いがあります。
AMRは自律的なルート選択が可能で、変化の多い環境や将来の拡張性を重視する現場に最適です。
一方、AGVは固定ルートでの正確な繰り返し作業に強みを持ちます。
搬送ロボットを選定する際は以下の4つのポイントを総合的に判断しましょう。
・ 現場の変化が発生するか
・ 他のシステムと連携をするか否か
・ 初期vs長期コストのどちらを優先させるか
・ 稼働の安定性を確保できるか否か
特にAMRを複数台運用する場合は、安定した通信基盤の構築が成功の鍵となります。
docomo MECのようなインターネット経由の通信と比較して安定性の高い通信サービスを活用することで、搬送ロボットの導入効果を強化できます。
【docomo MECの詳細はこちら】サービス紹介
AMRは自律的なルート選択が可能で、変化の多い環境や将来の拡張性を重視する現場に最適です。
一方、AGVは固定ルートでの正確な繰り返し作業に強みを持ちます。
搬送ロボットを選定する際は以下の4つのポイントを総合的に判断しましょう。
・ 現場の変化が発生するか
・ 他のシステムと連携をするか否か
・ 初期vs長期コストのどちらを優先させるか
・ 稼働の安定性を確保できるか否か
特にAMRを複数台運用する場合は、安定した通信基盤の構築が成功の鍵となります。
docomo MECのようなインターネット経由の通信と比較して安定性の高い通信サービスを活用することで、搬送ロボットの導入効果を強化できます。
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リアルタイム通信×高セキュリティ
docomo MEC
docomo MECは、ドコモネットワーク内に配置したMECサーバーと、サーバーへのダイレクトなアクセスを可能にする回線サービス(MECダイレクト)を提供するサービスです。
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